EXHIBITIONS

青木聖吾「この世界を紡ぐ」(予定)

画家・青木聖吾による個展「この世界を紡ぐ」を開催いたします。90年代のデビュー以降、国内外で積極的に活動を展開してきた青木ですが、関東圏での個展開催はおよそ5年ぶりとなります。

近年の青木は、極めて限定的な画材と手法を用いたストイックな制作を追求してきました。それらはキャンヴァスを支持体とし3色のみ の絵具で描かれたシリーズと、同じく3色の色鉛筆と紙を用いたシリーズの2種類に大別されます。前者のシリーズは、「光の三原色」で ある赤・緑・青の絵具によって、ごく微細な3つの形、すなわち丸(○)・三角形(△)・四角形(□)を膨大に描き連ねていくことで形成され ています。一方後者では、3色の色鉛筆を幾重にも塗り重ねていくことで、影のような黒色の像を生み出し、作品を成立させています。

絵画、ひいては視覚にまつわるミニマルな要素だけを用いたこれらの作品群は、ジョルジュ・スーラの点描作品に代表されるような理論的設計がなされた絵画を想起させるかもしれません。しかし青木は油彩の制作において、図像を大まかに定めた後、それを構成する 色や形の細かい組み合わせや配置については、1つ1つ描きながらその場で決定していく、という手法を採っています。1枚のキャンヴァスに対しこの途方もない作業を数ヶ月~数年かけて積み重ねることで生まれる絵画は、全体として1つの緻密な調和を保ちつつも、その 細部からは肉筆で描かれた色・形のランダムネスや、その集積に伴う「ゆらぎ」とでもいうべき有機性が立ちのぼっています。青木の制作には、こうした性質のほかにも、光と影、有と無、図と地の反転といった対照的な要素の共生を見てとれるでしょう。

本展の出品作には、彼自身の身近な知人やウェブ上で発見した見知らぬ人物の画像、あるいは歴史的な一場面を収めた写真などが モティーフとして取り入れられています。自らが規定し継続してきた禁欲的な描画方法によってそれらの外在的な図像を描き起こしていく作業は、青木にとって自らを取り巻く世界をトレースし、外界と接触していくための手立ての1つになっているのかもしれません。独自 の手法で絵画を追い求める青木の、現在地点をご覧いただければ幸いです。

この世の中は必ず対があるのかもしれない。
闇があるから光があり、陰があるから陽がある。
どちらか一方だけを存在させることは不可能ではないだろうか?
それは私達が地球上に生きる生態系としての世界軸の在り方を表す。
世界は原子の集合から成り立ち、一つ一つのエレメントが関係し形作られ
成立しながら有機的な繋がりと広さを生む…。

この世界で起きる様々な出来事、そして過去の記憶や感情、、。
立ち現れては消えていくこの世界のあり様を、優しさも残酷さも全てを受け入れて
描くプロセスを通して辿って行ければと思います。

青木聖吾

青木聖吾 / Seigo AOKI
1964 千葉県生まれ
1994 愛知県立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻研修科修了

近年の主な個展
2017 「Cosmos」 豊田市美術館・展示室9 / 愛知
2017 「Cosmos」 雅景錐 / 京都
2016 「shadows」 雅景錐 / 京都
2015 「光と闇に触れる」 愛知県立芸術大学サテライトギャラリー / 名古屋
2015 「昼と夜」 Gallery Camellia / 東京
2014 「目の裏の皮膚、100人の影像 ポルトガルから日本へ」 雅景錐 / 京都
2014 「光と闇に、触れる」 T&S gallery / 東京
2013 「認証の森」 川口市立アートギャラリー・アトリア 新鋭作家展 / 埼玉
2011 「異系の森」 藍画廊 / 東京
2010 「目の裏の皮膚、白い色」 藍画廊 / 東京

近年の主なグループ展
2018 「TSA現代美術トリエンナーレ」 上海梧桐美術館 / 上海
2017 「空にふれる・青木聖吾、文谷有佳里」 Galleria Finarte / 名古屋
2017 「描く、写す、記すードローイングの現在・青木聖吾、浅野智」 / 元麻布ギャラリー甲府 / 山梨
2016 「ART in PARK HOTEL TOKYO 2016」 パークホテル東京 / 東京
2016 「ここにもアートかわぐち」 川口市立アートギャラリーアトリア、川口駅前行政センター / 埼玉
2016 「Openrs 2016」 アートスペース感 / 京都
2016 「玄玄天2016」 いわき市内等 /福島県
2015 「アートOSAKA 2015 」 ホテルグランヴィア大阪 / 大阪
2014 「ディテールからの宇宙・西嶋真理子、鈴木知佳、青木聖吾、出射茂」 NICHE GALLERY / 東京
2013 「子育てと美術 」 藍画廊 / 東京
2013 「氣韻」 GALLERY ARTISLONG / 京都
2012 「いま、日本アートをつむぐ‐てわざ・こまやか」 PorAmor a Arte Galeria / ポルトガル
2012 「HOLONIC 2012・個と全体の調和を図る」 GALLERY UNICORN / 埼玉
2011 「箱と人」 X+Y Gallery PSYS・静岡県立美術館 / 静岡

受賞
2012 第2回 川口市アートギャラリー・アトリア新鋭作家展 優秀賞
2001 第6回 アート公募 審査員準大賞
1989 第14回 全国大学版画展収蔵賞

助成
2017 平成29年度文化庁、山梨大学文化芸術推進事業助成
1995 第8回ホルベインスカラシップ

レジデンス
2013 第17回セルベイラビエンナーレ・レジデンスアーティスト / ポルトガル

パブリック コレクション
町田市立国際版画美術館
セルベイラビエンナーレ財団 / ポルトガル
足利市立美術館

アーティストサイト
https://www.seigo-aoki.net/