EXHIBITIONS
ホリグチシンゴ「巻き直された偏西風」
- Information
- Works
- DATE
- 2026-01-16 [Fri] - 2026-02-14 [Sat]
- OPEN TIME
- 11:00-18:00[Tue-Sat]
- CLOSE DAY
- Sun, Mon, National holidays
◯ オープニングレセプション:2026年 1月 17日(土)16:00-18:00
ホリグチシンゴの個展タイトル「巻き直された偏西風」には、西洋を基点として連綿と続いてきた美術の文脈を捉え直し、そこに新たな方向性をもたらそうとする期待が込められている。
ホリグチが近年試みている、絵画空間の中の「地」と「図」に対するアプローチや、制作の過程を幾重にも積層していく所作は、セザンヌやキュビズムの画家たちが試みた、絵画の構造そのものを問い直す探究とも重ね合わせて捉えることができる。
ホリグチは、事物とそれが存在する空間とを、絵画の内部で幾重にも重ね、編み込み、貫入させていく構造を持つ絵画を志向している。その制作態度は、時代の変化に応答して生まれたキュビズムの精神と呼応するかのように、コンピューティング技術を積極的に取り込みながら展開されている。
別々の支持体に描かれた複数の図像は、コンピューター上で合成され、時に破壊されながら、行きつ戻りつする作業を通して編み上げられていく。そうして構想されたイメージは、あたかも未来から完成像が呼び戻されたかのようにして現れ、最終的には手業によって一つの絵画作品として結実する。
本展覧会での新たな試みとしては、コンピューターと手業の境界を往還するかのように、東洋絵画に見られる「ぼかし」の技法と「線」への意識を取り入れた制作が挙げられる。それは、ホリグチの制作態度がさらに遠い地点を見据えるための、新たな足がかりとなっているように思われる。
本展では、こうした探究を通して形成された、ホリグチシンゴの近年における実践の一つの集大成をご覧いただけるだろう。
ぜひこの機会にご高覧いただければ幸いです。
巻き直された偏西風 / Reconfigured Westerlies
ホリグチシンゴ
93年生まれの自分は物心ついた時には家にマッキントッシュのパソコンが既にあって、そのパソコンの中でお絵描きをしていた。幼稚園で絵具を使って絵を描くときに、「なんでパソコンみたいに失敗した部分を元に戻せないのだろう」と不満だったのを覚えている。そこから今に至るまで、デジタルデバイスはずっと自分の身近にある。だからやった作業をなかったことにする、何度も試行して良い結果だけを選択して進んでいく。そういう感覚が自分は身につきすぎている。現実で何か行動する時にもシミュレーションしてからその通りに実行するし、そうしない方が不自然に感じる。事実この文章を書くのに、私は数十回、control +zのショートカットを使っている。
シミュレーション出来てしまうということとどのように付き合うのか。10年後の貯金額から旅行の工程まで、自分を取り囲む全てのことをシミュレーションせずにはいられない。自分の人生のネタバレを自分でリサーチしている。テック産業によってかけられた呪いか。
この呪いを描くことにはポジティブに利用したい。パソコン上で制作の工程をシミュレーション出来ることを、単に失敗を回避したり作業の効率化に使うのではない。control +zで時間が巻き戻った、という時間感覚を絵に刻みつける。進む時間と戻る時間を一つの平面の中で錯綜させる。パソコンの中でシミュレーションしたレイヤーが絡み合った図像を、描画という圧縮処理にかけると、絵の中の絵具が乗っていない部分は余白ではなく”絵具が消えた”というアクションが仕込まれた場所になる。そういう操作を絵画には行えるらしい。control +zが内面化してしまった人間にしか作れないイメージを立ち上げてみよう。
筆を止めた自分の絵を眺めた時に自分がどういうプロセスでその造形に至ったのか、瞬間的に自分でも分からなくなることが増えてきた。そうなった絵の方が自分の意図が発動したということなのかなと感じているのだけど、どうだろう。
ホリグチシンゴ HORIGUCHI Shingo CV
1993 京都府生まれ
2016 多摩美術大学絵画学科日本画専攻 卒業
2018 多摩美術大学大学院博士前期過程絵画専攻日本画研究領域 修了
~2022 多摩美術大学日本画研究室助手
Solo Exhibitions
2026 [巻きなおされた偏西風]LOKO GALLERY/代官山
2025 [POLY -transparency]msb gallery/日本橋
2025 [Polymerization]亀戸アートセンター/東大島
2024 [POLY-viewpoints]obi gallery/藤沢
2023 [EYE-BALLS ADVENTURE par:2]柳沢画廊/東浦和(Gallery pepin 企画運営)
2023 [EYE-BALLS ADVENTURE part:1]LOOP HOLE/府中
2021 [The Field and Daylight 3.2]tagboat/有楽町
2021 [The Field and Daylight 3.0]数寄和/西荻窪
2020 [FUZZY CRAWL]アートスペース羅針盤/京橋
2019 [BEAST/HUMAN/MACHINE]亀戸アートセンター/東大島
2019 [Vapor under the city]数寄和/西荻窪
2018 [Drone’s eye (half a person) ]tagboat/人形町
2018 [The Field and Daylight2.0]アートスペース羅針盤/京橋
2017 [The Field and Daylight]montanO-librO/西船橋
2017 [The Field and Daylight]ガレリア青猫/西荻窪
Group Exhibitions
2025 [「as if」 – 12名の美術家が音楽を表現してみた]数寄和/西荻窪
2025 [多摩美術大学絵画学科(日本画/油画/版画)合同展「Tamabi Beyond, at the 90th Anniversary」]多摩美術大学/八王子
2025 [UNLABELED]アート解放区/人形町
2025 [The 20th Anniversary ‘LOOP HOLE Expo. 2025’ / LOOP HOLE Pavilion] 府中市美術館/府中
2023 [爽籟]数寄和/西荻窪
Residence
2022 みなとメディアミュージアム2022
Award
2024 Idemitsu Art Award入選
2024 KAMIYAMA ART カドリエンナーレ 大西若人賞
2024 第59回神奈川県美術展 平面立体部門 県議会議長賞
2018 ギャラリーへ行こう 2018 数寄和賞
2018 Independent Tokyo 2018 TAGBOAT賞
2018 第13回 大黒屋現代アート公募展 入選
2017 金谷美術館コンクール2017 入選
2014 夢美エンナーレ入選作品展 奨励賞
アーティストWEBサイト
https://syrocmaunderworld.tumblr.com
