EXHIBITIONS

ユーソ・ノロンコスキー「This Place is Nowhere 」

  • Information
  • Works

This place is Nowhere はフィンランドのアーティスト ユーソ・ノロンコスキー (Juuso Noronkoski) による現在進行中のプロジェクトの一部であり、写真、ビデオ、オブジェクト、テキストベースの作品で構成されています。ノロンコスキーは、 このプロジェクトを通じて、写真イメージと現実世界における知覚との違いについて、また、イメージやオブジェクト、テキストといった、時間的、物理的に異なる表現方法が共通の空間でいかに作用するかについて考察しています。

作家自身によって撮影された、あるいは選び取られた写真は、さまざまなかたちで物理的に、そして概念的に手を加えられます。意思を伴ったイメージへの介入は、被写体が持つ意味を解体し再構築すると同時に、平面と立体、現実と想像、観ることと観られることを隔てる境界を曖昧にします。

インスタレーションを構成するテキスト、詩的な短編小説は彼の創造における思考のプロセスを伝えますが、同時に提示される視覚イメージが示す意味が文字情報によって補完されるのか、あるいはどのように変化するのかは、観るものに委ねられています。それはまるで、イメージと言葉にかかわる人間の “共感” についての実験のようでもあります。

ノロンコスキーの作品が扱うモチーフは一見すると非常に具体的です。しかしそれらは特定の文化や地域を超えた普遍性を兼ね備えています。我々がそれぞれに持つ現象や事物に対する概念をイメージの形にし、さらに重層的に介入することで、写真が 別の場所へ通じる窓としてだけではなく、鑑賞者自身、そして “観る” という行為そのものを映す鏡にもなり得ることを示しているのです。

本展は、作家にとって日本での初の発表となります。現実と虚像の境界とはどこにあるのか。そしてそこにはどのようなイメージが存在するのか。ノロンコスキーは、イメージが絶えず変化し、知覚が移り変わる “どこでもない場所” をギャラリーに現出させ、我々に問いかけます。

協力:
Gallery Taik Persons

助成:
フィンランドセンター
FRAME contemporary art finland
Arts Promotion Center Finland

ARTIST PROFILE: ユーソ・ノロンコスキー

Juuso NORONKOSKI《The Happiest Thought of My Life》 2013, 2015, HD-video, no sound 60min loop, acrylic board, variable
Juuso NORONKOSKI《The Happiest Thought of My Life》 2013, 2015, HD-video, no sound 60min loop, acrylic board, variable
Juuso NORONKOSKI《This Place Is Nowhere》2016, framed pigment print, 35×45cm
Juuso NORONKOSKI《To See How the Moon Sees》2016, rolled pigment print, 200×150cm, steel tripod, spotlight, 175×200×100cm
Juuso NORONKOSKI《The Library of the Last Man Who Knew Everything》2017, pigment print, acrylic, 22×16×4cm
Juuso NORONKOSKI《Device #2 (The Third Sun)》2017, Sunlight on gelatin silver print, pigment print, magnifying glass, 25×21×50cm
Solo Exhibition “This Place is Nowhere” Installation view[Photo : Juuso NORONKOSKI]
Juuso NORONKOSKI《An ode to absent mind》2015, framed pigment print, flashlight, 57×32.5×3.5cm
Juuso NORONKOSKI《A Memory From April》2017, sunlight on paper, 110×75cm[Photo : Juuso NORONKOSKI]