藤堂「バウ / バウ」

2017年11月24日(金)‒ 12月23日(土・祝)

[オープニングレセプション]
11月24日(金)18:00 ‒

[火 ‒ 土] 11:00 ‒ 19:00
[日・月] 休廊

彫刻家・藤堂による個展「バウ / バウ」を開催いたします。

「関東大震災で倒壊した建物のレンガ」や「ベルリンの壁」といった特殊な来歴を持つ瓦礫や鉱物、古書などと積層ガラスを組み合わせた諸作で知られている藤堂ですが、日常的に描き継いでいる大量のドローイングや、木箱を “小さな空間” と捉え無数に組み上げたインスタレーションなど、その作品のヴァリエーションは多岐にわたります。 素材固有の質感・アイデンティティが直截に活かされながらも、職人的な手業による異化を経て研ぎ澄まされた作品は、国内外で注目を集めています。

多様な藤堂作品に通底する要素の一つが「素材」や「空間」に対する関心です。ここにも様々な側面があります。

たとえば彼の作品における積層ガラスは、鉱物が秘める時間性や、かつて建築物の一部だった瓦礫の歴史性のなかへ私たちが潜り込んでいくための触媒のようなものとして捉えられることが少なくありません。ガラスを積層させ磨き上げていく作業は、それぞれのマテリアルが有する物語を覗き込む、もしくは剥き出しにすることにも似ていると藤堂は語ります。

一方、藤堂が彫刻家として目論んでいることの一つに「彫刻の存在によって、周囲の空間の質を変える」ことがあります。そして物体の中にガラスを出現させることは、彼にとって “ものの中の空間を見せる” ことをも意味します。作品そのものの中に空間を存在させる、さらにその作品の素材はかつて別の空間を構成していた建築物の一部である、 といった重層的な作品構造は、素材や空間、また建築に関するさまざまな視点を象徴的に炙り出しているかのようです。

本展のタイトル「バウ / バウ」は、ドイツ語で「解体」や「撤去」を意味する “Abbau” 、「建造」や「構造」の意味を持つ “Aufbau” という2つの単語を示しています。今回の展覧会は、建築工事用の足場を用いて空間を再構成するインスタレーションを軸に展開。ギャラリー空間に対するダイナミックな建築的アプローチとともに、彼の創造の源でもある、「素材」や「空間」を取り巻く刺激的な世界に迫ります。