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花月啓祐「となりをみつける」

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花月啓祐《一筆のとなり》

 

⚪︎オープニングレセプション:6月6日(土)16:00-18:00

 

LOKO GALLERY では、花月啓祐による個展「となりをみつける」を開催いたします。

花月の制作は、キャンバスの構築という基礎的な行為から始まります。支持体となる麻布は、紫根(シコン)、苅安(カリヤス)、蘇芳(スオウ)といった草木由来の染料によって染められます。作家はそれらの原料から幾つもの工程を経て色を抽出し、複数の色調へと展開していきます。

染められた麻布は、縦糸と横糸が均質に整うよう自作の木枠に張り込まれ、その上に膠を用いて極薄の土佐和紙が貼り重ねられます。こうして、織りの質感をほのかに残しながら、新たな支持体が立ち上がります。

麻布の糸と糸のあいだにある「隙間」は、和紙を介してなお画面にとどまります。花月はその「間」に、あたかも新たな糸を織り込むかのように、色鉛筆による細い線を縦横に描き入れていきます。

淡く染められた麻布の色と、描き加えられた線の色彩は互いに呼応し、画面は織物のような層を持つ場へと変化します。自然に由来する色は、ほのかに風景を想起させながら、作家の介入する色彩とのあいだに静かな対話を生み、その往還は画面の内部で持続していきます。

ぜひこの機会にご高覧いただければ幸いです。

 


 

“となり”という言葉から、あなたは何を想像するだろう。

辞書には【並んで続いているもののうち、最も近くにあること】とある。
だがその関係は、単なる位置にとどまらず、内と外、時間の前後、素材や出来事の連なりとしても現れる。

たとえば、僕とあなた。部屋と光。絵画と壁。
目を向けるだけで、あらゆるものは関わり合い、“となり”として広がっていく。

それらは時間とともに変化し、制作の過程や素材、身の周りの事象までも連続していく。
わずかに視点をずらすだけで、立ち現れる関係は大きく変わる。

僕もまた、多くの“となり”によって形づくられている。
人との出会い、土地の記憶、学んだこと、好きなもの、苦手なこと。
それらが重なり、現在の自分がある。

自作《一筆のとなり》における“一筆”とは、単なる描線ではない。
木枠の制作、布張り、和紙の貼付、光の調整に至るまでの、一つひとつの行為である。
その一筆のとなりには、色と色、素材と支持体、絵画と光、そして空気や温度が並び続けている。

“となり”を見つめることは、関係を観察することだ。
その関係を美的に捉え直すとき、日常の中に潜むわずかな変化や詩情が立ち上がる。

あなた自身の“となり”には、何があるだろう。

花月啓祐

 

 

花月啓祐 Keisuke Kagetsu  CV

1998 年 鹿児島県生まれ
東京都在住
修士(美術)

▪︎Education
2025  東京藝術大学大学院 美術研究科 油画技法・材料 第 2 研究室 修了
2022  東京藝術大学 美術学部 絵画科 油画専攻 卒業

▪︎ Selected Exhibitions
2026 「となりをみつける」LOKO GALLERY(東京)
2026 「枝折」VALLOON STUDIO(東京)
2026 「Futurama vol.2」FOAM CONTEMPORARY(東京)
2025 「ART SESSION」銀座 蔦屋書店(東京)
2025 「Second Signal」biscuit gallery(東京)
2025 「第 73 回 東京藝術大学 卒業・修了作品展」(東京)
2024 「一筆のとなりに。」POP UP ART GALLERY “MOKUMOKU”(神奈川)
2024  「grid3」biscuit gallery karuizawa(長野)/biscuit gallery(東京)
2023 「Painting Seeds」gallery10[TOH](東京)
2022 「第 70 回 東京藝術大学 卒業・修了作品展」(東京)

▪︎ Awards
2025    杜賞(東京藝術大学)
2022    O氏記念賞(東京藝術大学)