佐々木成美

・/♯

La la la la la la la la la la..........
Do do do do do...
Ah ah ah..

 

2019年10月4日(金)- 11月2日(土)

[オープニングレセプション]
10月5日(土)18:00 ‒

[火 ‒ 土]11:00 ‒ 19:00
[日・月・祝]休廊

画家・佐々木成美による個展「・/♯ La la la la la la la la la la.......... Do do do do do... Ah ah ah..」 を開催いたします。本展は、昨年春に美術大学院を修了して以降の彼女の初個展となります。

佐々木の近作では、キャンヴァスと油彩を主たるメディウムとしつつも、その上に鉱物や木材、自身で作っ た陶器やガラス、あるいは別のキャンヴァスの断片を組み合わせるという即興的かつ多彩なコラージュ的手法が頻繁に用いられています。植物を想起させるモティーフや明るい色彩は、自然の内包する生命力や神秘をユーモラスに示しているように観える一方、限定的な理性的解釈をすり抜けるかのように、はっきりとは判別できない抽象的な造形で画布上に定着しています。

さまざまなスタイルの変遷を経て現在の表現方法に至った佐々木ですが、その過程では一貫して、人間が抱く「何かを描く」という根本的な衝動、その衝動が目指す形而上的な世界、そしてそれらの中間地点に立ち現れる存在としての絵画、という3つの関係を見据えながら、より自らの実感に即した手法を探ってきました。

たとえば佐々木がヨーロッパでの留学とリサーチでよく目にした宗教美術においては、神の像そのものを描かなかったとしても、「無心に手を動かして幾何学模様を描く」というシンプルな行為が信仰に近い性質を持ち、神性に触れるための手立てであったかもしれません。そうした「祈り」と近接した「描く」行為、 つまり原始から現代まで連なる「描く」衝動の表出に、彼女は自身の制作にも通底するものを感じています。近現代のファインアートのみならず、こうした古今東西のさまざまな視覚芸術からの影響が佐々木の作品には窺えます。

そしてそのような一種の霊的なエネルギーを具現化するにあたり、平面作品である絵画が持つ「正面からの鑑賞のみを想定している(=立体作品とは異なり“裏側”を覗くことはできない)」という特性や、油絵具の「下層が透けて見える」という物理的性質は、佐々木にとって複数の世界のレイヤーを象徴する、自らの制作に欠かせない機能となっています。異種素材が有機的に交わる彼女の作品には、絵画という空間で多様なマテリアルと対話し、それらを混淆させることで、キャンヴァスの向こう側にある形而上的な領域との接触を試みようとする営為を観ることができるでしょう。

今回の展覧会は、近年の彼女の制作ではあまり観られなかった大型作品を含む最新作品群と、過去作から選び抜かれたピースで構成されます。絵画を巡るプリミティヴな命題を追求しながら未知の造形に挑む佐々木の、本格的なデビューを多くの方に目撃していただければ幸いです。