gravity-of-vision EXHIBITION

荒木由香里 個展 眼差しの重力

2016年9月30日(金) – 10月29日(土)

オープニングレセプション:9月30日(金)18:00 –

[火 – 日]11:00 ‒ 19:00
[月・祝]休廊

愛知県を拠点に活動する現代美術作家・荒木由香里の東京での初個展を開催します。

フランスでの滞在制作を経て参加したブリュッセルでの展覧会「WABI SABI SHIMA」(2015年)や、愛知県美術館での個展(2012年)の開催などで活躍の場を広げている荒木は、同系統の色=モノトーンの素材を集積させた立体作品の制作に2010年から取り組んでいます。身近な装身具や日用品などが無数に重ねられたそれらは、一見すると女性的な華やかさに満ちているようにも感じられるでしょう。しかし彼女の作品に対峙することで立ち現れてくるものは、もっと異形な“何か”かもしれません。

荒木は以前から「どんな素材も同等に扱う」という言葉を口にしてきました。動植物から工業製品に至るまで、普段は決して隣り合わない様々な物たちが「同じ色」というルールの元に束ねられる時、それらは従来の機能や意味を引き剥がし、その形と色を強調して未知の生命体のように迫ってきます。そこに訪れるのは、当たり前だと思っていた価値観や先入観が歪み、書き換えられていくような感覚。彼女のテリトリーの中では、集められた素材と私たちの感覚がともに異化されていくのです。

今回荒木は、万物に働く「重力」を展覧会のテーマに据えています。この世界を支配する重力を、彼女はどのように捉え、捻じ曲げていくのでしょう。そこには荒木の作品にしかない新しいものの見方、眼差しが宿るはずです。

 

*

眼差しの先に在るもの

いろんなもので溢れる、埋もれる。
何を選ぶかがその人を取り囲む。形作る。成り立っている。
見ようとしないものは見えない。
ちょっとだけ視点を変える。
再構築する。
空間に切り込む。
見えているものは何だ?

どんなものにも色がある。物と色は切っても離せない関係である。
私は2つのことに取り組んで制作している。

1 モノトーンで集めて再構築する、そうする事で見えてくるものがある。同じ色の呼び方でも、その形や要素やイメージは全く違う。
その色とものの関係を見て行くと、今のその色の捉え方で「いま」という世界をほんの少し知る事が出来る。

2 立体について。立体のものに常々興味がある、というか立体でしかものを考えられない。何かである固形物。空間に「ある」もの。それが「居る」から空間が生まれる。空間に浸食するもの。
立体物を作るという事は、どのような空間を作るかという事。なのかと強く思う。

この2つを軸に、今回は「重力」を意識したい。
重力は立体物を作る上で必ずつきまとってくるもの。
重力はどこに居ても働くもの。重力があるからそのものの重みを感じる。
重みはそのものである。

「在る」ことは「見る」ことである。
「見る」ことでそこに「在る」ことがわかる。
「重力」は全てのどんなことにも「在る」。
「重力」があるということは「在る」ことであり「見る」ことにつながる。
と、思う。

人は見たいものしか見ない。
見ようとするものしか見えない。
違うことを考えていると、目の前のものに気がつかない。

モノトーンの作品を作るといろんなことに気が付き見えてくる。
今回は一旦ある限定の色で集めて見えやすくしたものを、少し見えにくくすることでより注意深く「見る」ことをするための装置としての空間を試みる。

 

この展覧会を見たあとに、少しでも世界が違う見え方がしますように。

 

荒木由香里

05 9月 荒木由香里 個展 眼差しの重力

2016年9月30日(金) – 10月29日(土)

オープニングレセプション:9月30日(金)18:00 –

[火 – 日]11:00 ‒ 19:00
[月・祝]休廊

愛知県を拠点に活動する現代美術作家・荒木由香里の東京での初個展を開催します。

フランスでの滞在制作を経て参加したブリュッセルでの展覧会「WABI SABI SHIMA」(2015年)や、愛知県美術館での個展(2012年)の開催などで活躍の場を広げている荒木は、同系統の色=モノトーンの素材を集積させた立体作品の制作に2010年から取り組んでいます。身近な装身具や日用品などが無数に重ねられたそれらは、一見すると女性的な華やかさに満ちているようにも感じられるでしょう。しかし彼女の作品に対峙することで立ち現れてくるものは、もっと異形な“何か”かもしれません。

荒木は以前から「どんな素材も同等に扱う」という言葉を口にしてきました。動植物から工業製品に至るまで、普段は決して隣り合わない様々な物たちが「同じ色」というルールの元に束ねられる時、それらは従来の機能や意味を引き剥がし、その形と色を強調して未知の生命体のように迫ってきます。そこに訪れるのは、当たり前だと思っていた価値観や先入観が歪み、書き換えられていくような感覚。彼女のテリトリーの中では、集められた素材と私たちの感覚がともに異化されていくのです。

今回荒木は、万物に働く「重力」を展覧会のテーマに据えています。この世界を支配する重力を、彼女はどのように捉え、捻じ曲げていくのでしょう。そこには荒木の作品にしかない新しいものの見方、眼差しが宿るはずです。

 

*

眼差しの先に在るもの

いろんなもので溢れる、埋もれる。
何を選ぶかがその人を取り囲む。形作る。成り立っている。
見ようとしないものは見えない。
ちょっとだけ視点を変える。
再構築する。
空間に切り込む。
見えているものは何だ?

どんなものにも色がある。物と色は切っても離せない関係である。
私は2つのことに取り組んで制作している。

1 モノトーンで集めて再構築する、そうする事で見えてくるものがある。同じ色の呼び方でも、その形や要素やイメージは全く違う。
その色とものの関係を見て行くと、今のその色の捉え方で「いま」という世界をほんの少し知る事が出来る。

2 立体について。立体のものに常々興味がある、というか立体でしかものを考えられない。何かである固形物。空間に「ある」もの。それが「居る」から空間が生まれる。空間に浸食するもの。
立体物を作るという事は、どのような空間を作るかという事。なのかと強く思う。

この2つを軸に、今回は「重力」を意識したい。
重力は立体物を作る上で必ずつきまとってくるもの。
重力はどこに居ても働くもの。重力があるからそのものの重みを感じる。
重みはそのものである。

「在る」ことは「見る」ことである。
「見る」ことでそこに「在る」ことがわかる。
「重力」は全てのどんなことにも「在る」。
「重力」があるということは「在る」ことであり「見る」ことにつながる。
と、思う。

人は見たいものしか見ない。
見ようとするものしか見えない。
違うことを考えていると、目の前のものに気がつかない。

モノトーンの作品を作るといろんなことに気が付き見えてくる。
今回は一旦ある限定の色で集めて見えやすくしたものを、少し見えにくくすることでより注意深く「見る」ことをするための装置としての空間を試みる。

 

この展覧会を見たあとに、少しでも世界が違う見え方がしますように。

 

荒木由香里