シンゴ ヨシダ
頂上 -The Summit-

2020年2月7日(金)‒ 3月7日(土)

OPEN  11:00 ‒ 19:00
CLOSED  日・月・祝

オープニングレセプション
2月7日(金)18:00 ‒

アーティストトーク
2月15日(土)18:00 ‒
ゲスト:
中野仁詞氏/神奈川芸術文化財団キュレーター

第 12回 恵比寿映像祭 「時間を想像する」
https://www.yebizo.com/jp/

LOKO GALLERYは 恵比寿映像祭2020 地域連携プログラムとして 、シンゴヨシダの個展 "頂上 -The Summit-" を開催いたします。

ヨシダは長年に渡り欧州で活動し、極限の状況や何気ない日常のきわめて精緻な描写により自己認識を追求する映像作品で高い評価を得てきました。
10年ぶりとなる日本での個展では、作家の父、そして祖父が深く関わった、ある句碑建立の物語をトレースし、ギャラリー空間に再構築します。

富士の登山者は毎年30万人を数えるが、頂上である剣ヶ峰、今は閉鎖された測候所のすぐそばに建てられた句碑に気付くものはほとんどいない。
その碑は大人の胸の高さがあり、本体と台座からなる。
表面には”ホトトギス”などで活躍した俳人山口誓子と俳友たち、北舟子、波津女、霜楓による句が刻まれている。
お鉢の西側、大沢崩れをすぐ見下ろして立つ句碑は根府川石造りで重さは数百キロはくだらないだろう。
山裾からゆっくりと立ち上がる富士の勾配は頂上付近になるともはや崖で、滑落や落石により毎年何人もの犠牲者が出る。
巨石を山頂へ運び上げ据え付けることが危険を伴うよほどの大仕事であることは想像に難くないが
それは「どうせ建てるなら日本一の場所に建てよう」という句碑建立の発起人、北舟子の夢だったのだ。
昭和49年8月20日早朝、富士五合目御殿場口。父親の夢を受け継いだ吉田南舟子は、雲に覆われたはるかな山頂を見上げた。

***

トークゲスト:
中野仁詞 Hitoshi Nakano
キュレーター/神奈川芸術文化財団、第56回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展(2015年)日本館、横浜トリエンナーレ2017。
主な企画に、「日常/場違い」展(2009年)、泉太郎展「こねる」(10年)、八木良太展「サイエンス/フィクション」(15年)
塩田千春展「鍵のかかった部屋」(16年)、さわひらき展「潜像の語り手」(18年)、小金沢健人展「裸の劇場」(19年)ほか
北村明子、平原慎太郎とのダンス公演や現代音楽などパフォーミングアーツの企画多数。
東海大学/女子美術大学非常勤講師。慶應義塾大学大学院美学美術史学専攻前期博士課程修了。

本展アーティスト:
シンゴヨシダ Shingo Yoshida
1974年東京生まれ。フランス・ニース国立高等美術学校ヴィラ・アルソンに1999年から2004年迄在学、最優秀ディプロム を取得後
2005年フランス・リヨン国立高等美術学校大学院にて修士課程修了。
2007年フランス・パリ国立高等美術学校大学院にて修士課程 「プログラム ラ・ セーヌ」を修了。
2003年より現在まで、世界各地にて国際展示会に参加。「パレ ド トーキョー パリ」「チリ国立現代美術館」「ARTE tv Creative」フランス/ドイツ
「第60回オーバーハウゼン国際短編映画祭」 Klaus Biesenbach、Christine Macel、Hans Ulrich Obrist による「Based in Berlin」など
​2017年「UN Conference on Climate Change, COP23」 国連気候変動枠組条約第23回締約国会議から招待を受けロシア・シベリアで制作した映画と写真を展示
のちに写真作品はドイツ連邦共和国 環境省 ベルリン・ドイツのアートコレクションとして所蔵される。
2016年には映像作品がベルリン所在の美術館- Berlinische Galerie - Akademie der Künste - Fluentum 等に所蔵されている。

アーティストウエブサイト
https://www.shingoyoshida.com/

CV/アーティストステイトメント
https://www.shingoyoshida.com/bio-japanese

過去作品トレイラー(Film)
https://www.shingoyoshida.com/movie-installation

LOKO GALLERY×国立奥多摩美術館
和田昌宏・永畑智大
「国立奥多摩物語〜12月のオーロラ〜」

2019年12月13日(金)- 2020年1月25日(土)

[オープニングレセプション]
2019年12月13日(金)18:00 ‒

[火 ‒ 土] 11:00 ‒ 19:00

[日・月・祝] 休廊

*年末年始:2019年12月29日(木)〜2020年1月9日(木)休廊

和田昌宏と永畑智大による2人展「国立奥多摩物語〜12月のオーロラ〜」を開催いたします。本展はアーティスト・コレクティヴ「国立奥多摩美術館(MOAO)」とLOKO GALLERYによる共同企画展であり、2019年10月から2020年の春までMOAOが一連のシリーズとして順次展開している企画の中の、2つめの展覧会にあたります。

和田昌宏は近年、映像というメディアを軸に、大掛かりな可動式インスタレーションやパフォーマンス、彫刻といった多彩な美術 表現を内包する作品群を制作してきました。そして現在はそれらの延長線上にありながらも、より多くの人々が関わり、より多様 な要素を秘めた大規模なものになるであろう“映画作品”の制作に取り組んでいます。映画そのものの完成は2021年を予定して いますが、今回の「オーロラ」シリーズの企画展では、展覧会のさなかにパフォーマンスや撮影を行い、それによって生まれた映像素材をも次々に展示していくという試みを実行。展覧会場でリアルタイムに映画の生成が進行していき、展示空間と映画作品 とが相互に侵食し合う様相は、従来の「映画」や「美術」といった作品形態の在り方を問いながら、その境界線を柔軟に往来するものとなってきています。今回の展覧会においても、その未知の映画作品の制作は徐々に進行・発展していく予定です。

一方の永畑智大は、主に彫刻と漫画という2つのメディアに足場を持つアーティストです。ともすると繋がりが希薄に思われそうな2つの領域ですが、永畑の作品はどちらにおいても一目見てそれと分かる特徴を湛えています。それは彼が実際に、自作の 彫刻の写真を漫画の中に取り入れたり、漫画に描いたキャラクターを彫刻化したり、といった横断的な制作手法を用いていることにもよるでしょう。ダンボールなどを素材として作られる彫刻作品群は一見チープかつキッチュでありながら、通常の彫刻的発想からは生まれ得ない挑戦的な造形を宿してもいます。また日本を代表する前衛漫画誌『アックス』の新人賞において特別賞も受賞したその漫画作品群(「ファミリーレストラン」名義)には、一般的な漫画とは一線を画す独自の表現様式が窺えます。これらの中には、彫刻における造形感覚を漫画へと落とし込む過程で発生しているものもあるでしょう。彫刻と漫画という2つの軸足は、彼の中で相互に有機的な影響を与え合い、清新な表現へと連結しているといえます。本展ではその彫刻作品の最新版として、初の“ブロンズ化”が施された作品の出展なども予定しています。

この2名によって構成される本展「国立奥多摩物語〜12月のオーロラ〜」は、「10月のオーロラ」を再構成した発展形でありながら、さらに2月以降の続編にも連なっていく展覧会となります。この実験的な挑戦が一体どのような地点に帰結するのか、ぜ ひ多くの方に目撃していただければ幸いです。

11月 02日[森夕香]京都で個展開催

森夕香がギャラリー崇仁で個展「蔓延る脈」 を開催いたします。
詳細は上記ウェブサイトにてご確認ください。

10月 24日[戸張花]グループ展に参加

戸張花がGallery Kで11月11日(月)〜16日(土)に開催されるグループ展「磨。溶。繋。」に参加いたします。

詳細は上記リンク先のページにてご確認ください。

 

平松麻「種まきの地図」

2019年11月8日(金)- 11月30日(土)

 

[オープニングレセプション]
11月8日(金)18:00 ‒

 

[火 ‒ 土] 11:00 ‒ 19:00
[日・月] 休廊

画家・平松麻による個展「種まきの地図」を開催いたします。

平松は一貫して、自らの“体内”に存在するという静謐な風景を、油絵具の積層・掘削・研磨から成る重 厚な絵肌の上に描いてきました。その作品の多くは、1枚の画中に主役となるモティーフを1つ描く、というミニマルな形態をとってきたといえます。選ばれる画題は雲や土、窓や棒などさまざまですが、いずれの作品も共通して、時間が静止したかのような荒涼とした世界の気配を纏ってきました。同時に各作品はあくまで1ピースずつ完結 / 独立した佇まいを持ち、それぞれの絵画世界を単一的に示してきたともいえるでしょう。

ところで、平松にとって体内で観た風景を1つずつ描き起こしていく行為は、自らの知っている土地の面積を拡張し、“地図”を更新していくような機能を持っています。そしてこの1年余りにおける彼女の制作= 土地の探索における大きな変化は、従来のように新たに発見した風景や物体を描くだけではなく、時には自らの訪問の印をそこに描き加えるようになったことです。今回の出品作の中では、棒と岩のあいだを結わいた縄や、大地に撒かれた大量の種などがその“自らの印”にあたります。また風景に対する画家自身のそうしたコミットメントの発生と並行して、1枚の絵が持つ視野は以前よりも伸展し、より広範な 空間が画中に収められるようになってきました。そこに現れ始めた植物や食物といった有機的なモティーフや明るい色彩は、体内の土地を耕しながら内奥に進んでいく感覚の象徴といえるかもしれません。

今回の展覧会では、そうした豊穣の予感ともいうべき新たな気配に満ちた彼女の最新作品群を、マッピングしていくように配置し、その世界の“地図”を示すことを目指します。これまで単一的に存在してきた作品を相関的なインスタレーションとして展開することで、豊かな広がりを孕み始めてきた作品世界 を体系的に提示する試みです。これまでの“地図”と地続きにありながらも、さまざまな新しい萌芽を見 せつつある現在の平松の作品をお楽しみいただければ幸いです。

佐々木成美

・/♯

La la la la la la la la la la..........
Do do do do do...
Ah ah ah..

 

2019年10月4日(金)- 11月2日(土)

[オープニングレセプション]
10月5日(土)18:00 ‒

[火 ‒ 土]11:00 ‒ 19:00
[日・月・祝]休廊

画家・佐々木成美による個展「・/♯ La la la la la la la la la la.......... Do do do do do... Ah ah ah..」 を開催いたします。本展は、昨年春に美術大学院を修了して以降の彼女の初個展となります。

佐々木の近作では、キャンヴァスと油彩を主たるメディウムとしつつも、その上に鉱物や木材、自身で作っ た陶器やガラス、あるいは別のキャンヴァスの断片を組み合わせるという即興的かつ多彩なコラージュ的手法が頻繁に用いられています。植物を想起させるモティーフや明るい色彩は、自然の内包する生命力や神秘をユーモラスに示しているように観える一方、限定的な理性的解釈をすり抜けるかのように、はっきりとは判別できない抽象的な造形で画布上に定着しています。

さまざまなスタイルの変遷を経て現在の表現方法に至った佐々木ですが、その過程では一貫して、人間が抱く「何かを描く」という根本的な衝動、その衝動が目指す形而上的な世界、そしてそれらの中間地点に立ち現れる存在としての絵画、という3つの関係を見据えながら、より自らの実感に即した手法を探ってきました。

たとえば佐々木がヨーロッパでの留学とリサーチでよく目にした宗教美術においては、神の像そのものを描かなかったとしても、「無心に手を動かして幾何学模様を描く」というシンプルな行為が信仰に近い性質を持ち、神性に触れるための手立てであったかもしれません。そうした「祈り」と近接した「描く」行為、 つまり原始から現代まで連なる「描く」衝動の表出に、彼女は自身の制作にも通底するものを感じています。近現代のファインアートのみならず、こうした古今東西のさまざまな視覚芸術からの影響が佐々木の作品には窺えます。

そしてそのような一種の霊的なエネルギーを具現化するにあたり、平面作品である絵画が持つ「正面からの鑑賞のみを想定している(=立体作品とは異なり“裏側”を覗くことはできない)」という特性や、油絵具の「下層が透けて見える」という物理的性質は、佐々木にとって複数の世界のレイヤーを象徴する、自らの制作に欠かせない機能となっています。異種素材が有機的に交わる彼女の作品には、絵画という空間で多様なマテリアルと対話し、それらを混淆させることで、キャンヴァスの向こう側にある形而上的な領域との接触を試みようとする営為を観ることができるでしょう。

今回の展覧会は、近年の彼女の制作ではあまり観られなかった大型作品を含む最新作品群と、過去作から選び抜かれたピースで構成されます。絵画を巡るプリミティヴな命題を追求しながら未知の造形に挑む佐々木の、本格的なデビューを多くの方に目撃していただければ幸いです。

木村彩子「部屋の中 部屋の外」

2019年9月3日(火)- 9月28日(土)

[オープニングレセプション]
9月6日(金)18:00 ‒

[火 ‒ 土]11:00 ‒ 19:00
[日・月・祝]休廊

画家・木村彩子による個展「部屋の中 部屋の外」を開催いたします。展覧会での作品発表のみならず、新聞や書籍の装画も手がけるなど幅広い領域で活動を展開している木村ですが、LOKO GALLERYでの個展は今回が初となります。

木村は一貫して、植物を中心とする身近な自然環境を絵画のモティーフとして扱ってきました。その作品の多くは、綿布の上にアクリル絵具や数種類のメディウムを用いて複層的な下地を構築し、蜜蝋を混ぜた油絵具で透明感に溢れる植物の姿を描写していくことによって生み出されています。また多くの場合、描画の際には自身で撮影した植物の写真が参照されてきました。独自の質感を持った画肌の上で鮮やかな色彩や線描が動的な生命力を放つ一方で、写真由来の静的な瞬間性もが同居する画面は、彼女の代名詞といえるでしょう。

その一方で、木村はその制作手法を少しずつ変化させてもきました。本展の出品作には、写真をベースにした従来のシリーズの他に、屋外に身を置き周囲の自然環境を描き上げた作品や、室内から窓外の風景を観て描いた作品などが含まれています。こうしたいくつかの新たな試みは、制作に新展開をもたらすために捻出されたというよりは、昨年彼女が転居した佐賀県の豊かな自然や、新しい居住環境によって自ずと発生してきたものです。そうして生み出された絵画たちは、これまでの木村作品に通底する気配を纏いつつも、これまでには見られなかった絵画表現を宿してもいます。

異なる制作過程を経て仕上げられ、異なる表情を持つに至った諸作品を並置すると、草花や日常風景といった共通のモティーフを扱いつつも、画家の視線や意識の位相に明確な変化が起こっていることが見てとれます。そこからは単なる鮮やかさや生命力といった言葉では把捉しきれない、不定形な自然の息吹と、それとシンクロする作家の鼓動が多角的に現れてくるかのようです。木村の画中に現れるそれらの差異や変化はとても自然的であり、環境によって生態を変え繁茂していく植物のように、彼女の絵画もまた流動的かつ自生的な体系を有しているといえるかもしれません。

外界と呼応しながら自身の絵画表現を探求し続ける木村彩子の、最新作品群をお楽しみいただければ幸いです。

渡辺佑基「ねじれの回廊」

2019年7月12日(金)− 8月10日(土)

[オープニングレセプション]
7月12日(金)18:00 ‒

[火 ‒ 土]11:00 ‒ 19:00
[日・月・祝] 休廊

画家・渡辺佑基による個展「ねじれの回廊」を開催いたします。LOKO GALLERYにおける渡辺の展示は昨年夏のグループ展以来2度目。また本展は彼自身にとって初の本格的な個展となります。

現在美術大学院の博士課程に在籍する渡辺は、一貫して日用品や玩具、人体の一部といった身近なモチーフを絵画上で再構成することに取り組んできました。彼の制作の中で、さまざまな物体はその表面の質感を注視され 、写実的に描写されていきます。しかし同時にモチーフの形状に合わせたシェイプド・キャンヴァスを用いるなどの手法によって、それらは絵画上でしか有り得ない位相で成立させられてもいます。

たとえば階段を昇る裸婦を描いた作品において、絵の上辺は人体というモチーフを外部からトリミングする、いわば「窓枠」としての機能を持っています。一方でシェイプド加工が施された下辺は、足の裏が接触する「地面」として機能し、モチーフと次元を共有しているともいえます。渡辺作品におけるキーワードの1つは、絵画のフレームに発生するこのような種々の “ねじれ” への関心です。

こうした発想と手法に基づき、現実の感触を想起させつつ、平面でも立体でもない亜空間へ私たちの感覚を接続させることは、彼の根源的なテーマだといえるでしょう。渡辺が配置していくフレームは絵画空間を保持する外殻であると同時に、私たちの意識の枠組みを相対化する流動的な装置のようでもあります。

最新作品群を中心に、彼の丹念な絵画世界の入り口をお楽しみいただければ幸いです。